第二次東北行 3

一見すると復興、整備が進んでいるかのように見える被災地だけど、その実、深刻さは依然変わっていない。

 
復旧の度合いを示すデータはこちらをご覧頂きたいが…
 
 http://www.nira.or.jp/pdf/1203report.pdf
 
・県外避難者数が、岩手県と福島県では再び増加
・住民の復興ニーズは、住環境や交通網の復旧、教育・医療・介護
 環境の整備に関するものが高い
・交通網(鉄道)は改善が鈍い(というか手付かず)
・教育・医療環境は、施設の復旧が不十分ながらも進む一方、医師
 数の減少がみられる
・当面の公共事業や各種の支援制度に支えられている
 
いくつか抜き出したが、これが現状そのもの。
後は数字では表し難い「空虚感」というものが漂っています。これは言葉でも表し難いのですが。
 
上記を一言で纏めると「街の再構築は一向に進んでいない」ということになるのだけど、それにはグラウンドデザインが定まっていないということに尽きると思います。
それは「旧市街地を再開発するのか? 新地(新天地)へ移行するのか?」ということですが、それが定まらないとインフラの整備も、住宅の開発も何も進んでいかないのでしょう。
その為にはやはり沿岸部の旧市街地の土地の買い上げを進めていかざるを得ないと思います。それにも時間を要することは確かだけど。
 
東北、特に三陸地方は漁業、食品加工業で成り立っている地域。報道ではさも復活を遂げているような錯覚を与えているが現実はまだまだ、緒についたばかりといった印象です。
漁業というと漁獲とばかり思いがちですが、実際はその大部分は加工されて消費地へ届けられる。完全な復活のためには、加工業を支える冷凍倉庫、そして肥料会社の復活も必要なのです。 (加工の際の内蔵物などの肥料化、これが相当な量となる。)
肥料会社の復活なしには食品加工業の復活はないと言われています。
 
多重な防潮堤の検討を含めて、「安心・安全」を担保しないと街の復活はありえません。ただ、その為にはいくつかの選択をしなければなりません。
もちろん、地元の方々が選択する権利を擁しておられるのだけれども、まだまだ時間を要するようです。数年規模での議論を経て行くものと思いますが、その間は国、他自治体、そして我々が支援していかざるを得ないでしょう。
資金の面ではもちろん税金の投入という形ですが、それには我々国民の厳しい目できちんと投入されるよう監視が必要です。
 
そして、最大の被災地「福島」ですが、こちらはまた例の別の要素がありますので、あらためて記したいと思います。