「産油国・消費国会合」は原油高の切り札?

本日午前中の報道では、「産油国・消費国会合」でのサウジ増産による原油高ストップへの期待感がさかんに伝えられていましたが、果たしてそうでしょうか?
市場の反応は下記の通りですが、要は「焼け石に水」といったところでしょう。
今回の「会合」を以ってしてもストップできない理由は何か?
 ①現在の原油高は「需給バランス」によるものではない
 ②投機マネーが市場に流入している
・・・ここまでは一般論ですが、それよりなにより
 ③米国が原油高を容認しているから
と、いう理由が一番でしょう。
その背景には
 ・産油国とイラン、シリアを結ばせない為の飴
 ・米国石油メジャーの空前の好決算
特にエクソンモービルなどはその典型で、トヨタなど足下にも及ばない利益をあげています。まあブッシュさんの背後には元々石油資本が蠢いてましたからね。
   http://www.lifestudies.org/jp/tero06.htm

そもそも今回の「産油国・消費国会合」は中東産油国の呼びかけで行われたものですが、今の消費国側での伸びは中国やインドがメインです。先進国側ではむしろ伸びは鈍化傾向にありますからね。
中国を意識するならばナイジェリアなどのアフリカ産油国との調整が欠かせないでしょう。ですが、アフリカ産油国はむしろ減産している状況です。(理由は、火災やら武装攻撃やら。どこまで本当か?)

それらを市場はお見通しなので、下記の記事のように反応が鈍いのです。
たしかに原油高ストップの策は一筋縄では行きませんが、最大の理由がであることは明白ですので、「11月のブッシュ退陣」直前までは原油高基調で進むでしょうね。
その後は急反落することが予想されます(100ドル/バーレルには戻らないかも知れませんが)

甘利経産相の文字通り「アマーイ」コメントを耳にしましたが、実に空しいものでした。日本って、政治と行政はほんとに甘ちゃんがやってるんですよねぇ。

NY原油、134〜5ドル台で推移…サウジ増産にも反応薄(読売新聞)
    2008年6月23日(月)11時2分配信 読売新聞
 【ニューヨーク=山本正実】22日のニューヨーク商業取引所の原油先物相場は、小刻みな値動きとなっている。
 国際指標となるテキサス産軽質油(WTI)の8月渡し価格は、通常取引前の時間外で、1バレル=134〜135ドル台で推移している。午後7時30分(日本時間23日午前8時30分)現在は、1バレル=134・98ドルで取引されている。
 22日にサウジアラビアで開かれた石油生産国と消費国による「産油国・消費国会合」で、サウジが原油増産の意向を示したが、反応薄となっている。