ここぞ 元祖 山葵漬

「田尻屋」さんの作られるものだけを山葵漬と呼び、他は”山葵漬のようなもの”と呼ぶことにしておりますw

色気はないが、味(酒粕、山葵ともに)は一級品。もはやこれは別格です。
なのにお値段は庶民派。休日ともなると観光バスが路駐して買い占めて行きますw

宝暦の頃、新通(東海道)で味噌屋をしていた田尻屋和助が山に行き、そこの農家で山葵の茎と葉を糠味噌に漬けたものをお茶受けに出してくれた。
食べてみると捨て難い風味があったので、茎と葉を持ち帰り、色々と工夫をして加工している中に酒粕に漬けるのが一番よいことを発見した。
それで駿府の街でぼつぼつ売り出したがその需要は知れたものだった。
「これは江戸に出して宣伝するほかはない」と思いついて荷を江戸に送り、浅草の繁華街で通る人を呼び止めては試食させながら賣広めた。
これが評判になって諸国大名が参勤交代の帰りに「国の土産に」と大量に買って行くようになり田尻屋の事業は軌道に乗ってきた
この田尻屋の初代和助は静岡県志太郡和田村田尻の出身で、同郷出身の新通の田尻屋という味噌屋に奉公した主家の田尻屋は「カネ十味噌」の稲森家の前の屋号である(現大井川カネジュウ食品・株)
    郷土史家の飯塚伝太郎氏著「静岡の人びと」より