安倍政権に捧ぐ

以下は、安倍首相が5日、参議院予算委員会民主党小川敏夫参院幹事長と繰り広げた国会質疑の内容です。
大衆からは穏健派でお坊ちゃまと言われている彼は、実は超タカ派であると同時に極めて歴史認識、政治認識、対外手腕に乏しい人間であることが露呈されたと考えます。
(政治家は信念もさることながら、言葉を大切にしませんよね)
従軍慰安婦問題は、以前レポートした通り戦後すぐに米軍が慰安婦本人から聞き取り調査を行い報告書をまとめております。
その真贋はともかく、今回は論点がまったくずれております。
過去の歴史認識は第三者機関に委ねるべきであり、一国の首相が私見で結論を導き出すべきものではありません。
彼が真っ先になすべきことは本件を論ずることでなく、米中韓そして北朝鮮の現状を正確に判断し、政治的見解から本件をどう扱うか、つまりは実利をとるのが政治であり、外交であると考えます。
彼にはブレーンと呼べる人材が存在しないのか?と失望すら感じてしまいます。

以前のレポート→http://d.hatena.ne.jp/eternal7786/20061117

小川「旧日本軍の慰安婦問題に対する安倍首相の最近の発言は、“強制性はなかった”という主張なのか」

安倍「河野談話を基本的に継承している。自ら自発的にその道(日本軍慰安婦)に進もうと考えた人はいなかっただろう。中間に入った(民間)業者が事実上強制したという事例があり、こうした広義の解釈において“強制性”はあった。しかし、官憲が家に押し入って誘拐するかのように連れ去ったという意味での強制性はなかった」
(1993年に日本政府が発表した「河野談話」は、日本政府が介入した事実を認め、「日本政府」「日本軍」を「官憲」という単語で表現している)

小川「証言がないとはどういうことか」
(各国の日本軍慰安婦被害女性らは、日本軍と警察に直接拉致されたと証言し、この主張が今回の米下院決議案に反映されている)

安倍「裏付けのある証言はないという意味だ」

 続けて安倍首相は、米下院決議案について、「もし決議が採択されたとしても謝罪することはない」と発言した。

安倍「決議案は客観的事実に基づいておらず、日本政府のこれまでの対応も(決議案に)反映されなかった。政府としては、日本の立場が理解されるよう努力する」

小川「きちんと謝罪しないと、日本が戦争に対する反省をしていないと受け取られる」

安倍「戦後60年の日本の歩みは高く評価されてきた。小川氏は日本の歩みをおとしめようとしている」
(この発言の後、与野党の議員らの応酬で予算委員会がしばらく中断した)

小川「おとしめるとは何事か」

安倍「ならば、小川氏は米下院の決議案が正しいと思っているのか」