平成の龍馬もいれば吉宗もいる?!

江戸幕府の財政を建て直した名君として人気の高い「将軍・吉宗」
テレビドラマから今ではパチンコCR機にもその名が冠せられる程ですが、彼の施策は功罪半ばで、現在の平成の世と照らし合わせると奇妙なほど類似点が出て参ります。
 
1、バブル・・・吉宗は「元禄バブル」 (現政権は「昭和〜平成バブル」) の後遺症に苦しむ
2、デフレ・・・新井白石の「正徳の治」により通貨供給量は減少し、しかも吉宗は倹約(財政支出の抑制)を旨とし、年貢引き上げ(増税)を行った為猛烈なデフレに苦しむ
3、格差の拡大・・・「享保の改革」は一時的な成功をもたらしますが、一方で貧富の差を拡大
4、人口の減少!!・・・構造的なデフレということではこれが最大の要因。享保年間は江戸時代唯一の人口減少期。(現代も人口減少時代へと突入)
 
大きく分けますと上記のような類似点があるのは、偶然でしょうかね?(笑)
ここでは時代劇での吉宗のイメージを一旦捨てて、彼の功罪を問いますと
評価すべきポイントは
 
1、幕府財政の改革・・・江戸時代最大の税収(180万石)と倹約により幕府財政を急速に改善(あくまでも幕府のですよ)
2、デフレからの脱却・・・「元文の改鋳」を行ない国内の通貨供給量が増大した結果、長期間継続したデフレから脱却に成功
 
また、その罪とは
 
1、構造的不況への突入・・・改革の代償として、農村は荒廃し、豪農と貧農の格差が開き、一揆も頻発。
2、幕藩体制の崩壊の始まり・・・石高制だけでは経済をキープ出来ないことを万人に示すことに→幕藩体制の崩壊へ
 
と、まぁそんな話になるのですが、名君と称される吉宗ですがそれはあくまでも幕府財政を立て直したにすぎず、農村部を中心として格差は拡大しより深刻な構造不況への途を歩むだけであったとは言えないでしょうか?
その歴史上の反省・教訓を踏まえて言いますと、与謝野大臣が旗を振る「財政再建」すなわち消費税増税は一時的に幕府=政府の財政は改善出来ても、国内経済、国民の生活は荒廃へ進む可能性を否定してはならないと考えます。
経済学の半ば常識ですが一言・・・
「デフレ不況下での増税で成功した例は古今東西存在しない!」